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February 10, 2008
『L change the World』

『デスノート』は意識的にか無意識にかはわからないが、クレバーな映画だった。日本映画ならではの四畳半世界でのリアリティを構築することに成功していた。僕は常々、映画にはリアリティが必要だと言っているが、それが現実世界でのリアリティである必要はない。あくまでも、その映画の世界の中で、リアリティを獲得できるかどうかなのだ。『デスノート』は、その作品世界が非現実世界の四畳半世界であることを表明し、その中に留まることによって、設定の非現実さを超えることに成功していた。だから、瀬戸朝香や細川茂樹がFBIだと言って登場しても、笑って許容できたのだ。

しかし、『L』は不用意な海外ロケや中途半端に登場人物をリアルにしようとする試みによって、結果的にまったくリアリティのない映画になってしまった。冒頭は世界的なスケールで話を進めようとするが、目的も能力もさっぱりわからない悪の組織が登場し、後半になると瀬戸朝香や細川茂樹よりも非現実度の高いナンチャンがFBIだと名乗って登場し、どういう世界なのかが理解不能なのだ。

それと、カメラワークについては触れないわけにいかないだろう。時間やロケ場所などの物理的な制約が原因かもしれないが、今どきのアクション映画で、あんなルーズなサイズで、しかも三脚に据えて撮ったような画で、舞台中継のようなアクションシーンを見せられるのは耐えられない。設定も構成も穴だらけなのだが、アクションの見せ方が巧ければ、少しは緊迫感のある映画になっただろう。

ただ、松山ケンイチ演じるLはチャーミングだし、ヒロインを演じる福田麻由子は素晴らしい。結果的にものすごくテレビ的な映画になっているから、ヒットはするのだろう。

はっきりと言っておくが、僕は日本映画が四畳半世界に留まるべきだと言っているわけではない。しかし、四畳半から出て行くためには、もっともっと強さと逞しさと緻密さが要求されると言っているのだ。