December 31, 2005
2005年が終わる
2005年は、日本映画界が悪い方向へ転換した年として、記憶される年となるはずだ。
今や映画会社はテレビ局と連んで、テレビドラマを映画と称し、堂々と映画館で流すようになった。「本物」はもう求められない。必要とされるのは、見た目の豪華さと、食べやすさと、相変わらず安さだけだ。予算の高い作品が増えたかのように思われているが、これまでは6億かけるべきものを3億で作っていたのが、20億かかるものを10億で作っているだけだから、貧乏度合いはかわらない。でも、観客のニーズに応えているし、観客は満足しているんだと言われてしまえば、それまでだ。舌の衰えた観客は「本物」を必要としなくなる。
僕は、貧乏根性の抜けない日本映画界で、映画製作はビジネスでなければならないと主張し続けてきた。観客のニーズに応えた映画製作をしなければならないとも言い続けてきた。しかし、それは、「本物」を極めるためにベストを尽くす映画人が前提でのことだ。
かつてテレビに屈した日本映画は、再びテレビに屈して二度死んだのだ。今はただ、観客がまた「本物」を求めるときが来るのを待つしかない。
来年は、「幸せは歩いて来ない。だから、歩いて行くんだよ」がテーマだ。自分の足で歩く。たとえ、辛くても。無謀と言われても。それで野垂れ死んでも本望だ。
2006年が、私とあなたにとって幸せな年となるよう、祈っています。



