December 21, 2005
石坂浩二さん

::左から、中村敦夫さん、僕、市川崑監督、石坂浩二さん、うじきつよしさん。
中学から友達と8ミリ映画を作っていたが、大学生になった年、「ウルトラQ」の29話目を作ろうという話になった。でも、「ウルトラQ」といえば石坂浩二さんのナレーションは欠かせない。
ちょうどその頃、キネマ旬報から「日本映画俳優全集」という本が出版されていて、そこには俳優の自宅の住所が載っていた(なんと、おおらかな時代!)ので、「学生なのでノーギャラでお願いできませんか?」と石坂さんにダメもとで手紙を出したら、ある日、1本の電話がかかってきた。「石坂です」と言われ、あまりの驚きに絶句した。こっちは、神戸の田舎に住んでいる大学生で、芸能人と会ったこともなければ、話したこともなかったからだ。「東京に来てくれれば、やってもいいですよ」と言われ、早速、東京へ。
その後もちょくちょく東京へ行くようになり、石坂さんにいろんな撮影現場へ連れて行ってもらった。夢でしかなかった映画の世界に、一歩踏み込んだ気がした。間違いなく、石坂さんへの手紙が、僕の人生の分岐点だったのだ。
今日、市川崑監督の忘年会があり、石坂さんと20年ぶりにお会いした。石坂さんは、あの頃と同じように、優しく、楽しく、好奇心旺盛で博識だった。人生でいちばん大切なのは人との出会いだと、最近つくづく思う。



