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October 29, 2004
外国映画ベスト10

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』が生涯ベスト10の1本だと書いたら、友人からほかの9本を教えろと言われたので発表します。

『雨に唄えば』どんなに落ち込んだ日もこの映画を観れば元気になれる。

『市民ケーン』安っぽいメロドラマとも評されたりするが、そこが好き。

『スティング』ポール・ニューマンの恋人が美人じゃないところに大人の映画の香りがした。

『ニュー・シネマ・パラダイス』高校生の頃、地元の小さな映画館に入り浸っていた。もぎりのおじいさんが、無料で入れてくれたからだ。初めて僕のプロデュースした映画がその映画館でかかったとき、おじいさんは「ありがとう」と書いた葉書をくれた。その葉書が今の自分を支えている。この映画を観ると、そのおじいさんを思い出して涙が止まらない。

『ベイブ』130回以上観た奇跡の映画。

『冒険者たち』中学生の頃に観て、こんな人生を送りたいと思った。

『ポセイドン・アドベンチャー』この映画を観て映画を作ろうと思った。

『モダン・タイムス』チャップリンを観て、映画の虜になった。

『ローマの休日』人間同士に信頼があった良き時代の傑作。もうこんな映画は生まれない。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』とにかく哀しい。でも、また観たくなる。

ほかにも、『赤い影』『E.T.』『イレイザーヘッド』『インサイダー』『裏窓』『エイリアン』『エクソシスト』『オズの魔法使』『ガープの世界』『霧の中の風景』『グレート・ブルー』『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPARTII』『殺人の追憶』『さらば、わが愛 覇王別姫』『ジェイコブス・ラダー』『シックス・センス』『シティ・オブ・ゴッド』『十二人の怒れる男』『ショーシャンクの空に』『情婦』『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』『大脱走』『タイタニック』『ダイ・ハード』『デーヴ』『デッドゾーン』『トイ・ストーリー2』『2001年宇宙の旅』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フィールド・オブ・ドリームス』『フェリーニのローマ』『ふたりのベロニカ』『ブリキの太鼓』『ブレイドランナー』『ベニスに死す』『北北西に進路を取れ』『道』『未知との遭遇』『めまい』『惑星ソラリス』『わんわん物語』など、その日の気分によってベスト10に入るだろう映画は無数にある。



October 25, 2004
全米1位

先週の金曜、『THE JUON/呪怨』がついにアメリカで公開され、全米1位、ファーストウィークエンドの3日間で約4000万ドル(約43億円)を上げるスーパーヒットとなった。10月公開作品としても歴代3位、『ラストサムライ』や『ザ・リング』を遙かに凌ぐ成績だ。

もちろん、日本人が監督した映画が全米1位になるのは史上初の快挙である。「ホラーは当たらないよ」「日本人がハリウッドへ行っても成功しないよ」と言われ続けてきた。だから、頑張れたのだと思う。だって、成功した人がいないのだから、失敗しても恥ずかしくないしね。

日本で初めて南極で越冬した西堀栄三郎隊長は若い頃、来日したアインシュタイン博士から「誰もやったことのない、新しいことをやりなさい。一番大事なのは、まずやってみる勇気なのだ」というアドバイスの言葉をもらったと聞く。これからも、新しいことに挑戦し続けていきたいと、あらためて思う。



October 24, 2004
蓬莱

horai.jpg
::窓外のこの景色に癒される。


日本一の宿と信じている、熱海の「蓬莱」で、ひたすら短編映画を観ている。ショートショートフィルムフェスティバルアジアの審査員を引き受けたからだ。観なければならない短編映画は44本。自宅にいると、電話やらメールやらが絶えないし、デスクには処理しなければならない書類やら読まなければならない脚本やらが山積みで、集中して観れないから宿に籠もることにした。

とにかく、この宿は素晴らしい。窓の外は生命力あふれる樹と、一面の海。お湯の質も素晴らしいし、料理も素晴らしい。とくに朝食は、簡素にして味わい深く、完璧である。サービスも過不足ない。まさに、理想の宿だ。僕は旅行が趣味なので世界中の宿に泊まるが、蓬莱を超える宿には未だ出会わない。おいしい食事をいただき、心地よいお湯に浸かり、映画を観る。この上なく幸せなひとときを過ごした。

なお、映画祭は今月29日から31日まで恵比寿の東京都写真美術館で行われます。



October 19, 2004
ジェニファー・コネリー

今年の2月、マイナス10度のトロントへ行った。『仄暗い水の底から』リメイク版『ダーク・ウォーター』の撮影を見学するためだ。舞台はニューヨークだが、撮影コストの高いニューヨークでは屋外の場面だけを撮り、大部分を占めるアパートの場面はトロントのスタジオで撮影していた。

監督は、公開中の『モーターサイクル・ダイアリーズ』が絶賛されているウォルター・サレス。主演(つまり、黒木瞳さんの役)は、ジェニファー・コネリー。

何で極寒のトロントまで行ったか白状すると、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(ちなみに僕の生涯ベスト10の1本)を見た日から彼女の大ファンだからです。撮影の合間に一緒に写真を撮り、少し話す。『リング』は日本版の方が断然良かったと言ってもらった。サレス監督には、去年のベスト1は彼がプロデュースした『シティ・オブ・ゴッド』だったと伝える。

セット見学の後は、とにかく高いところに登るのが好きなので、世界一高いというCNタワーに登る。553メートル。海一面を流氷が覆っているのが見えて、いろんな意味で遠いところへ来たのだと実感した。



October 13, 2004
プレミア

premier.jpg
::プレミアの後のパーティで、ビル・プルマンと。


昨夜『THE JUON/呪怨』のプレミアがLAのウエストウッドであった。

映画館に到着すると、まずはレッドカーペットでテレビ局各社の取材を受ける。興奮しているせいか、英語がいつもよりスムーズに出てくる。サラ・ミシェル・ゲラーをはじめ、アメリカのキャストは勢揃いし、日本からも石橋凌さんと真木よう子さんが出席。『ザ・リング2』を編集中の中田秀夫監督や、『SAYURI』を撮影中の渡辺謙さんも来てくれて、会場は大いに盛り上がる。

そして、いよいよ上映開始。上映中は悲鳴と笑いが交互に響き、場内が静かになることはなかった。上映後もロビーや会場前は興奮した招待客の熱気で満たされ、「まったく新しいホラー映画だ」と評判は最高。ソニーからは4000プリントを用意することを決めたと聞かされる。

パーティは深夜まで盛り上がり、とにかく最高の夜だった。アメリカ公開は今月22日。期待は高まる。



October 11, 2004
ハリソン・フォード

LAで今、一番お気に入りの鮨屋に行ったら、隣の席がハリソン・フォードだった。ようやくリリースされた『スター・ウォーズ』(ジェダイ3部作)のDVDを最近よく見直していたから、不思議な気分。

そういえば、去年の東京国際映画祭ではアーヴィン・カーシュナー(『帝国の逆襲』の監督)と一緒にコンペの審査員をやった。学生時代には雲の上の存在だった人たち。一生会う機会なんてないと当時は思っていた。

大学生の頃、「太陽にほえろ!」のファンだった僕は、知り合いの紹介で七曲署のセットを訪ね、ボスこと石原裕次郎さんにサインをもらった。吉永小百合さんのファンでもあったので、『細雪』のセットを訪ね、握手してもらった。緊張して「サインください」が言えなかったのだ。

あの頃の、憧れる気持ちを、いつまでも大切にしていたいと思っている。映画を観てくれる人たちが、そんな気持ちに浸れるような映画をいつか作りたいと思う。



October 08, 2004
ジャンケット

今日から清水崇監督とともに、またLA。清水監督は朝の5時までテレビ東京の深夜ドラマ「怪奇大家族」を監督していたとのことで、思いっきり眠そうな顔をして僕のオフィスに現れた。

彼が監督するJホラーシアター第3作の脚本打ち合わせをし、彼は日経新聞の、僕は毎日新聞の取材を受ける。飛行機の中でも、彼はずっと爆睡していた。僕は日本を舞台にしたアメリカ映画の脚本を読む。30年前に書かれた脚本で、一度映画化されているのだが、その映画は大した出来ではなく、再映画化しようというのだ。

そして、明日からは『THE JUON/呪怨』のジャンケット。僕や清水監督や俳優たちがホテルの部屋で、世界中から来たメディアの取材を15分交代に受け続け、それが3日続く。『ノッティングヒルの恋人』とかの映画でそんな光景は見たことあるが、自分がやるのは初体験。疲れそうだが、世界中でヒットしてもらわなくては困るので頑張ります。



October 07, 2004
映画館

映画館に『感染』『予言』を観に行った。レディースデイということもあって、場内はぎっしり満席。女性客がほとんどだ。やっぱり満席だと、映画は2倍3倍に楽しい。もちろん、自分が作った映画だからということも大きいですが。

『感染』では僕が予想していた以上に悲鳴が上がり、『予言』のラストではあちらこちらですすり泣きが聞こえた。上映終了後のロビーには、ハンカチを手にした人もたくさんいた。『予言』の初日アンケート結果を東宝から送ってもらったら、「怖かった」という人と同じくらい「感動した」という人がいて嬉しかった。ホラーだから当然、怖くなきゃいけないのだが、同時にホラーは究極のところは人の死を描くものだから、感動もしてほしいと思う。

何はともあれ、ホラーを観るなら、ぜひお友達と映画館で。



October 01, 2004
サム・ライミ

『THE JUON/呪怨』がついに完成した。『リング』『仄暗い水の底から』もリメイクしたプロデューサーのロイ・リーがビデオ版の「呪怨」を観てメールをくれ、初めて打ち合わせしたのが一昨年の2月だから、2年半かかったことになる。それでも、アメリカ映画としては異例のスピードだろう。

劇場版『呪怨』を観たロイは「サム・ライミに見せたら気に入るはずだ」と言って、あっという間に試写をセッティングした。このあたりの直感と人脈と行動力がロイの凄いところだ。

試写を観たサムは「今までに観た映画でいちばん怖い」と、その場でリメイクを即決。何と! 清水崇を監督に起用して日本で撮ることを提案し、僕と清水に「アドバイスはするけど、基本的には好きなように作っていいよ」と言ってくれた。

ロサンゼルスでのプレミアは、いよいよ今月12日! 日本人が初めて監督したアメリカ映画は、果たしてアメリカの観客に受け入れられるか!?